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2009年04月29日

【創作】カレーの皿

※この物語はフィクションであり、実在の人物及び団体とは一切関係ありません
 なんだか思わず書いてしまったのでここに晒してみます。

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 私には、なにか現状に不満があったときに何かに没頭してしまう癖がある。
 中学校の時にボランティアで作ったお手玉は、
丁度重なった成績不振の影響で一心不乱に作った挙句、
先生に「これが一人ぶんか…」と恐れられた。
 時にそれは掃除であったり、勉強であったり
ビデオ鑑賞であったり…たまに、たいして出来もしない料理だったりもする。



 私はダンボールの箱を仮止めしていたガムテープを引っぺがす。
 そしてそのまま箱をあける。
 私はダンボールの箱の中から、新聞紙のかたまりを取り出す。
 ここ1ヶ月というもの、ダンボールのなかに放置してあったものだ。

 前の職場を立ち去る時に、深皿を新聞紙でぐるぐる巻きにして
それをダンボールにつめて運び、それ以来ずっと放置してあったものだ。
 今日は私はこだわりのオリジナルカレーを作る。
 それを盛るのに相応しい深皿を、こうして荷物の中から取り出しているところだ。


 前の職場を立ち去る時にはそりゃあもう慌しいものだった。
 その結果がこの乱雑につめられたダンボールの箱であり、
表面に書かれたマジックの「食器」の文字となっている。
 派遣先の都合と、派遣元の都合が合わなかったといえばその通りだが
上司のほうで勝手に決められた一件は私たち下っ端には告げられず
派遣先の社員のかたも、私自身も異動すること自体が寝耳に水、という状態だった。

 慌てて仕事を引き継ぎ、終わらせ、その週末にはもう荷物をまとめて引越し…
同僚たちは引越しを率先して手伝ってくれた。 とても感謝している。
 だけど、それだけだった。
 たとえば、一緒に抜けることになった男は、女の子から「これ使ってくださーい。」なんて
なにやら物を貰ったりだとか、それが縁で付き合ってみたりだとか
そんな話もあるとか無いとか聞いたような気もするけれども。
 私の場合には当然何もないし、「時間が無かった」ということで送別会も流れてしまった。

 べつに、ひがんでいるわけじゃない…はずだ。
 私は彼らとは表面上はかなりうまくやっていた。
 仕事の上で腹が立てば文句の一つも言ったが、
おたがいいがみ合ったりすることもなく仕事をこなしていたはずだ。

 しかし私は用事や話の種がなければメールもしないだろうし、ましてや電話をすることも無い。
 もちろん今更わざとらしく用事を作ったりも出来ない。
 そしてたいがい、相手もこちらが連絡したくないんだろうな、というのを察知していて向こうからは何もしてこない。

 だから「あぁ、もう連絡することも無いだろうな。」とそう思ってしまっただけだった。
 そうやって何事も無く日々は過ぎていって
こうやってカレーを作りたくなった時にまた改めて思い出すのだ。


 きっと新しい土地や新しい職場でも、こうやってたいした縁も無いまま過ごして
またいつか居なくなってここでも自分は忘れられるんじゃないか
そう思ったら、今の仕事場もつまらない物のように思えてきた。



「あれ?」
 おかしい。
 新聞紙のかたまりの数を確認する。
 茶碗が一つ、どんぶりが二つ、小鉢が一つ、おわんが一つ
茶碗と小鉢とおわんは、一つずつ封を切って今使っているから、一つずつ残っているのは問題ない。
 うちは、一人暮らしを始める時に食器を全て二つずつのセットで用意したのだ。
 だけどコップと深皿は違う、
コップは好きで増やしてしまったし、深皿の一枚は前に手を滑らせて真っ二つに割れているはずだ。
 じゃあこの「深皿っぽい新聞紙のかたまり」が二つあるのはどういうことだろう?


 私は思わず手に取っていた新聞紙の塊から手を離した。
 じゅうたんのうえにころん、と落ちる。
 これは…何だ?
記憶を探ってみる。
 ダンボールの表面にはちゃんと「食器」と書いてある。
 我が家にあるものでこの箱に収まりそうなものはやはり食器以外にありえない。

 ダンボールに入っている紙を取り出してみる。

・茶わん×2
・どんぶり×2
・コップ×5
・小ばち×2
・キュウス×2
・おわん×2
・箸×2
・深皿×1

 椀や急須が書けなかったわりに、箸はちゃんと書くことが出来たようだ。

 いや、問題はそこじゃない。
ちゃんと深皿は1になっているのだ。
 だとすれば、この二つのうちのどちらかは我が家の深皿ではないことになる。

 気味が悪い。

 これはどうすればいいんだろう。
 私は、前の職場の同僚から嫌われていただろうか…
いや、うまくやっていたはずだ。
 余計なことが頭をよぎる。
 なにか変なものを入れられてないだろうか
それとも、私が記憶に無いだけで、もう一枚深皿を買っていたんだろうか…。
 前に靴下を買って帰ったときに、まったく同じ靴下が家にたくさん余っていたことがある。
 いや、むしろそんなエピソードがあればかえって覚えているはずだ。

 私が頭を悩ませていると、どこからともなく音が聞こえた。

 部屋の中はほぼ無音だ。

 そういえばテレビもつけていないことに気が付いた。
 そんな中で、何かがカチカチと音を立てている。

 耳をすませると、私がじゅうたんの上に転がしたほうの、新聞紙のかたまりから音がしている。

 私はかっとなった。
 なんなんだこれは。
 嫌がらせなのか、
それとも度忘れなのか、
はたまた怪奇現象なのか
もう考えるのも面倒くさい! むしろ考えたくも無い!
そう思いつつ頭の片隅では「あぁ、私は推理小説の探偵にはなれそうも無いな。」と思っていた。
 冷静沈着で論理的、たちどころに結論を導き出して、理にかなった行動をする。
私はそんな探偵にはなれそうも無い。
 なぜなら、私の手は既に この忌々しい新聞紙を剥ぎ取りにかかっていたからだった。


「おつかれさま。」
 最初に目に飛び込んできたのはその文字だった。
 バカにされたのかと思ったが、その下には「体に気をつけて頑張ってください。」
「毎日しっかり寝ること!」「次の仕事場でも頑張ってください」
そんな文字がいたるところに書き記された皿…しかしただの皿じゃない。
 皿の真ん中には穴が開いていてそこから棒が突き出して短い針と長い針がその上をぐるぐると…
まぁ要するに壁掛け時計になっている皿だった。

 さすがにこの上にカレーライスを盛ることは出来ないが
一応謎は解けた。
 多少のサプライズを期待して、あの時手伝ってくれた誰かがこっそりと私の荷物の中にこれを隠したのだ。
寄せ書きまでしてあるところを見ると同僚たちはみんな共犯のようだ。
 私はまんまと気付かず。
今更こんなところで一人慌てたり迷ったりとばたばたしているのだった。

「あいつら……。」
 私は、拳を振るわせた。
 抗議してやる。

 メールなんかじゃ生ぬるい。
 電話をして、時間があるなら顔を出させて説教をしてやろう。
 私の頭は相手に言ってやることでいっぱいになっていて、
カレーのことは、既にどこかへ消え去っていた。

  
Posted by メリー at 18:55Comments(4)創作

2009年04月29日

おいでん祭りホームページ移転!

はい、既にチームおいでんのブログのほうで告知されていますが
4月からおいでん祭りのホームページが一新!!&移転しております。



新サイトのアドレスはこちら
http://www.oidenmaturi.com/

おどり連の募集は 5月11日(月)~22日(金)

マイタウンおいでんは7月4日に4箇所、11日に7箇所とかなりかぶっております(@@)

去年は梅雨の雨でひどい目にあった箇所もあったようなので
その対策かもしれませんねぃ。


うちはとりあえずおいでんフェスタin司に参加を予定!
次は・・・どこだっけ(゜∇゜)
また聞いておこう

  

Posted by メリー at 00:02Comments(0)おいでん(O-TEAM)